大スクープ!かゆくならない装着法、発見。
寝ても覚めても頭から離れないヘアロスによるウィッグの悩みに寄り添いたい、ウィッグリリアの島袋です。
「レース部分のヒラヒラが皮膚に擦れると痒くなる」という問題点を少し前に見つけたものの、解決策などは手付かずのままでした。ずっと考えていたらひらめいたことがあり、実際に自分でやってみた上で今回の記事にしました。
レースが擦れるとかゆい、という問題点
医療用ウィッグの記事で、迷いがあった部分
以前公開した【ウィッグの種類】その4:医療用ウィッグ(100%人毛、フルオーダー)の記事の中で
治療の妨げにならないようにとテープの使用を避けることで、今度は「額にレースが擦れることで、額に細かい傷がつく」「かゆいのでつい掻いてしまって小さな傷がつく」ことを誘発してしまいます。
両面テープや接着剤を使って、剥がす際に細心の注意を払うか、または医療用のサージカルテープを額に貼ってその上にテープや接着剤でレースを付けるなど、工夫の余地がまだまだある、と感じました。
お客様や周囲のご意見も聞きながら、ベストな装着方法を探求していきたく思います。
…と、書いています。
解決できていない部分があり、迷いが垣間見えます。
医療用ウィッグは「毛髪を一時的に失った方のためのウィッグ」なため、頭皮に負担をかけないよう、そのまますっぽりと装着すればよい作りになっています。
ですが、上記のように、額部分のレースが皮膚に擦れてかゆくなる問題が出てきてしまうのです。
すべてのレースウィッグに共通の問題でもあるのです。
医療用ウィッグだけの話ではないのです。額部分のみならず全体がレースでできているフルレースウィッグや、額からもみあげ部分までレースでできているレースフロントウィッグにも「レースの縁が皮膚に当たって痒くなる」問題とは無縁ではありません。
レースの縁がヒラヒラしないよう、テープで縁のキワまできっちり皮膚に貼れた場合はあまり問題ないのですが、ちょっと失敗して数ミリとか時には1センチ、レース部分が宙に浮いている状態になることも往々にしてあります。レースウィッグ歴15年の私でも、よくやってしまいます。特に襟足などの後ろ側は、テープとレースをきっちり合わせるのは難しいですから。
「レースの縁が余って宙に浮く」という状態が文章で説明しづらいので、写真を撮りました。
ちょっと極端な例になってしまいましたが、上図右側の写真の場合、「レースの縁が皮膚に擦れてかゆい」問題が出てくることがあるのです。以前の記事のイラストを再掲します。
こういうとき、これまでの私はアルコールなどで皮脂をよく拭き取った上でWALKERスカルププロテクターを塗り、テープか接着剤で貼り直していました。
ですが、ウィッグを外す際に万が一でも皮膚を傷つける可能性があるテープや、皮膚への刺激がテープより強く、連続使用で赤みやかゆみが出る可能性がある接着剤を、たとえスカルププロテクター越しであっても皮膚に直接使用することは、医療用ウィッグを使う方にはお勧めできません。感染症の問題が出てきますから。
また、感染症についてそこまで敏感になる必要がない方であっても、すでに掻きむしって赤くなっている箇所がある場合は、アルコールもスカルププロテクターも沁みて痛いので、私のこれまでの方法も、とてもお勧めできるものではありません。
「キズ保護フィルム」が使える!
サージカルテープというアイデア、いいところを突いていたのでは。
ある日、寝入り端に思い出したのです。そうだ、あれがあるじゃないか!と。
翌朝、近所のドラッグストアに駆け込んで買いました。「フィットバン」「アルゴフィット」などの商品名で同じようなものがあります。傷口を水から守る、非常に薄い、透明の保護フィルムです。
これをどう使うのかと言いますと、
…と、こうすることで、レースの縁が皮膚に当たるのを防ぐことができる、というわけです。
マネキンで試した写真をご覧ください。
(もちろん、実際に自分の頭で数回試してみた上で記事を書いていますが、自分のハゲ頭を掲載するのはちょっと痛々しいのでマネキンで試した写真を掲載します。)
貼るのは、こちら。上記写真に出ていたM’s oneという近所のドラッグストアのプライベートブランドのものです。
どこに貼ったか、おわかりでしょうか。
紛らわしくて、すみません。
フィルムは皮膚とほぼ見分けがつかないほどぴったりと同化しますが、光が当たると表面がテカりますので、生え際から大きくはみ出さないほうが良いかと思います。また、貼る際にシワにならないよう、注意が必要です。
左側にもう一枚、貼ってみました。
光が当たらない箇所は、どこに貼ったのか目視でわからないくらいです。
テープをはっていきます。
剥離紙を剥がします。
ピントが合いませんでした…。ウィッグ用両面テープ自体は透明で、ほぼ見えません。
医療用ウィッグを装着します。
正面から。
レースがしっかり固定されたので、これでかゆみの心配はありません。フィルムとテープはまったく見えません。
また、マネキンの英恵さん(名前があるんです)は色白なので、ベージュ色のレースが見えてしまいますが、実際の人間に装着した場合はレースはほとんど見えません(ものすごく近距離から凝視してやっと見える程度です)。
ウィッグを脱ぐ際は、テープの粘着力でフィルムが引っ張られて、あっけなく頭皮から剥がれます。
皮膚に直接テープを貼ると、その強力な粘着力のため、なかなか剥がれずに誤って皮膚を傷つけてしまう恐れがあるのですが、この方法ならその心配がありません。
このフィルム、もうひとつ、とても役立つことがあるのです。
フルレースウィッグ装着で、長らく悩んでいたことが解決しそう!でも長くなりそうなので、次回!
このキズ保護フィルムを使うことを思いついてから、『首を動かすたびに後頭部の襟足部分が引っ張られて、テープからレースが大きくずれていく問題』にもこれが打開策になるかもしれない、と思いつき、検証しています。そして、それがまたいい感じに解決しそうなのです。
長くなりそうなので、分けて記事にしたいと思います。それではまた、近々!
※上記の「襟足部分のテープからレースがずれていく問題」の記事、書きました!(2020.5.25)